火災保険とは

/年金・保険

火災保険の対象

火災保険では、保険の対象を次の5つに分類しています。

  • 建物
    土地に定着し、屋根および柱または壁を有するもので、屋外設備等は対象外です。冷暖房装置、浴槽・流し台などの建物の付属設備、門・塀・垣・車庫などは含みます。
  • 家財
    建物内に収容されていて被保険者が所有する家財です。
  • 屋外設備、装置
  • 設備、什器備品等
  • 商品、製品等

火災保険の補償内容

補償内容

火災保険は、火災の他、多様な内容を補償することができます。

火災、落雷、破裂・爆発 火災、落雷、破裂、爆発などによる火災や損害を補償
落雷による電気機器などの保険の対象の損害を含む
風災・雹災・雪災 台風、竜巻、暴風等に生じた損害、雹(ひょう)または霰(あられ)による損害、豪雪や雪崩による損害を含む
建物の外部からの物体の衝突 建物の外部からの物体の落下・飛来・衝突・接触・倒壊による損害、車両やその積載物の衝突・接触による損害を含む
水漏れ 給排水設備に生じた事故、被保険者以外の者が占有する戸室で生じた事故に伴う漏水、放水などによる損害を含む
騒擾等の破壊行為 騒擾(そうじょう)、集団行動、労働争議、及びこれに類似の集団行為等に伴う破壊行為等による損害を含む
盗難 盗難により建物または家財に生じた盗取、損傷、汚損による損害を含む
持ち出し家財の損害 旅行や買い物、レジャーなど建物から一時的に持ち出した家財が対象
水災 台風、暴風雨、豪雨などによる洪水、融雪洪水、高潮、土砂崩れ、落石などにより生じた損害を含む

尚、次のような事由によって生じた損害については、保険金は支払われません。

  • 契約者、被保険者などの故意、重大な過失、法令違反
  • 戦争、内乱、暴動などによる異常な事態
  • 地震・噴火またはこれらによる津波
  • 家財や屋外にある間に生じた盗難
  • 保険の対象の自然の消耗、劣化、腐敗等による損害

費用保険金

火災保険では、所定の要件のもとで費用保険金が支払われます。

損害防止費用保険金 火災、落雷、爆発による損害の防止のために必要な費用
臨時費用保険金 保険対象の損害により、宿泊費・交通費など臨時に支出する費用
残存物取片付け費用保険金 損害を受けた保険の対象の残存物の片付けに必要な費用
失火見舞費用保険金 火災、爆発等によって、第三者の所有物を損傷・汚損した場合に、被保険者に生じる見舞金等の費用
地震火災費用保険金 地震等に伴う火災について保険の対象(建物・家財)を補償

付帯できる特約

火災保険では、補償の内容を拡充するため、各種特約を付加することができます。

個人賠償責任特約 個人賠償責任保険に同じ
借家人賠償責任特約 賃貸住宅の戸室で発生した偶然な事故により、建物に損害を与えたときの貸主に対する損害賠償責任の補償
施設賠償責任特約 賃貸アパートオーナーやマンション管理組合などが施設の所有・使用・管理に起因して、他人に損害を与えたときの貸主に対する損害賠償責任の補償
携行品損害補償特約 保険証券記載の建物外に持ち出した携行品の損害を補償
類焼損害補償特約 失火者の近隣への類焼損害を補償
建物の電気的・機械的事故特約 電気的・器械的事故による建物付属の機械設備に生じた損害を補償

火災保険の保険金

構造級別

構造級別とは、建物の構造の燃焼性による建物の区分です。火災保険の保険料の算出に用いられます。

保険料 住宅物件 一般物件(店舗等)
安い


高い
M構造 コンクリート造の共同住宅
T構造 1級 コンクリート造の戸建て住宅(耐火建築物)
2級 鉄骨造の戸建て住宅(準耐火建築物)
H構造 3級 木造の共同住宅、戸建て住宅

保険金額の設定

火災保険を契約する際は、契約時の保険対象の評価額を基にして保険金額を決定します。評価額には、再調達価額と時価の2つがあります。

再調達価額

保険と対象と同等のものを現時点で再構築または再購入に必要な価額で、物価変動により上下することがあります。

  • 新築した年や価額が分かっている場合
    新築時点から評価時点までの価格の変動率(建築費倍率)を乗じて算定します。
    再調達価額 = 建築価額 × 建築費倍率
  • 建築した年や価額が分からない場合
    建物に使われている材料などで定められた1㎡当たりの標準的な単価に建物の延べ床面積を乗じて算定します。
    再調達価額 = 新築費単価 × 延べ床面積
時価額(保険価額)

再調達価額から経年年数や使用による消耗分(減価)を差し引いた価額です。

時価額 = 再調達価額 - 経年減価額
時価額 = 再調達価額 × 残価率

払保険金

支払保険金は、保険価額(時価)と保険金額の関係で異なります。保険金として保険金額の全額が支払われた場合は、その損害が発生した時点で契約は終了します。

保険価額 ≦ 保険金額

保険金は実損払いとなります。

保険価額 > 保険金額

保険金は比例払いとなります。実際に支払われる保険金は、以下のように計算されます。

$$\mbox{保険金}=\mbox{損害額}\times\frac{\mbox{保険金額}}{\mbox{保険価額}}$$

近年の火災保険では、保険価額を予め契約者と保険会社が協定して保険金額を決定する評価済保険としているものもあり、この場合は、保険価額と保険金額が常に一致することになります。

保険金額自動復元方式

保険金額自動復元方式では、1回の事故による保険支払額が保険金額に満たない場合は、2回目以降の事故の際も、保険金額は変わらないものとして扱います。

 

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