情報伝送速度
情報伝送速度とは、ノイズのある通信路を通して、実際に送信することのできる単位時間当たりの情報量(エントロピー)です。
ノイズのある通信路においては、送信データはノイズの影響を受けるため、送信信号と受信信号は必ずしも一致しません。受信信号を見ることにより、送信信号を推測することはできますが、不確定度が残ってしまいます。
通信路の入力側につながれた情報源の1秒当たりのエントロピーを
この
各エントロピーの計算
相互情報量
情報伝送速度は、送信信号と受信信号との相互情報量になっています。相互情報量
送信信号のエントロピー
送信信号のエントロピー
受信信号のエントロピー
受信信号のエントロピー
あいまい度
あいまい度
計算例
入力信号
一方、出力信号
誤差率10%の場合
90%の確率で正しく送信される通信路の場合、送信信号と受信信号の発生率は以下になるため、
送信信号 | ||||
受信信号 | ||||
発生率 | 90% | 10% | 10% | 90% |
このとき、
であるため、あいまい度のエントロピーは④より、
情報伝送速度は以下になります。
これより、10%の誤差率で情報伝送速度が53%まで落ちることが分かります。
誤差率0%の場合
100%の確率で正しく送信される通信路の場合、
であるため、あいまい度のエントロピーは④より、
情報伝送速度は以下になります。
誤差率が0%であれば、情報伝送速度が100%であり、当たり前な結果が得られています。
誤差率50%の場合
50%の確率で正しく送信される通信路の場合、
であるため、あいまい度のエントロピーは④より、
情報伝送速度は以下になります。
これより、50%の誤差率で情報伝送速度が0%になってしまうことが分かります。

