ラグランジュ補間法とは
ラグランジュ補間法とは、離散的なデータが与えられている場合に、これらの全ての点を通る多項式を求めて、データ間の値の近似を行う手法です。
自然現象を測定あるいは記録する場合、連続信号は離散的なデータに変換されてしまうので、その間の値が必要な場合には、このような関数補間の手法が使われます。
n次の多項式
一般に $n+1$ の点($x_0,y_0$)、($x_1,y_1$)・・・($x_n,y_n$)が与えられた場合、全ての点を通過する曲線は、$n$ 次の多項式で表すことができます。この多項式は以下のように表すことができます。
$$y\equiv y_0z_0+y_1z_1+\cdots+y_nz_n -①$$
$$z_k=\prod_{i=0,i\ne k}^n\frac{x-x_i}{x_k-x_i} -②$$
尚、$z_k$ は $i=k$ 以外の全ての項の積を取るため、$n$ 次の関数となります。また、$x=x_k$ で $z_k=1$ となり、$x\ne x_k$ では $z_k=0$ となることが分かります。
ラグランジュ補間法を導く
ラグランジュ補間法の意味を考えます。
2点を通る多項式
2個の点の場合は1次関数となるため、①は、
$$y=y_0z_0+y_1z_1$$
このとき、この直線は($x_0,y_0$)、($x_1,y_1$)を通るため、$x$ と $z_k$ の関係は以下になります。
$x=x_0$ | $z_0=1$ | $z_1=0$ |
$x=x_1$ | $z_0=0$ | $z_1=1$ |
これは $z_0$ と $z_1$ が以下の場合に成り立つことが分かります。
$$z_0=\frac{x-x_1}{x_0-x_1}$$$$z_1=\frac{x-x_0}{x_1-x_0}$$
3点を通る多項式
同様に、3個の点の場合は2次関数となるため、①は、
$$y=y_0z_0+y_1z_1+y_2z_2$$
このとき、この曲線は($x_0,y_0$)、($x_1,y_1$)、($x_2,y_2$)を通るため、$x$ と $z_k$ の関係は以下になります。
$x=x_0$ | $z_0=1$ | $z_1=0$ | $z_2=0$ |
$x=x_1$ | $z_0=0$ | $z_1=1$ | $z_2=0$ |
$x=x_2$ | $z_0=0$ | $z_1=0$ | $z_2=1$ |
これは $z_0$~$z_2$ が以下の場合に成り立つことが分かります。
$$z_0=\frac{x-x_1}{x_0-x_1}\cdot\frac{x-x_2}{x_0-x_2}$$$$z_1=\frac{x-x_0}{x_1-x_0}\cdot\frac{x-x_2}{x_1-x_2}$$$$z_2=\frac{x-x_0}{x_2-x_0}\cdot\frac{x-x_1}{x_2-x_1}$$
従って、これを同様に続けると、一般に $n+1$ 個の点の場合は、$z_k$ は②で表されることが分かります。