保険の対象
地震保険は、単独で加入することができず、火災保険に付帯して引き受けられます。尚、火災保険の対象が建物のみであれば、地震保険の対象も建物に限定され、家財に対する損害は補償されません。対象が家財のみである場合も同様です。
居住用建物
居住用建物とは、建物の全部または一部で世帯が生活している建物が該当します。従って、店舗・事務所のみに使用されている建物は対象外となります。尚、以下については対象となります。
- 売買契約書などの締結されている建築中の居住用建物
- 居住用とすることができる状態の別荘
- 居住用とすることができる状態の空家、但し、業者の売却用を除く
- 門、塀、垣、物置や車庫その他の付属物
家財(生活用動産)
生活用動産とは、居住用の建物に収容されており、生活の用に供する家財、衣服その他の生活に必要な動産を指します。
補償内容
保険金は、損害の程度に応じて、保険金額の一定割合が支払われます。損害程度の区分は、地震保険契約の始期日によって異なります。
2016年以前の始期契約 | 2017年以降の始期契約 | ||
損害の程度 | 支払保険金額 | 損害の程度 | 支払保険金額 |
全損 | 保険金額の100% (時価が限度) |
全損 | 保険金額の100% (時価が限度) |
半損 | 保険金額の50% (時価の50%が限度) |
大半損 | 保険金額の60% (時価の60%が限度) |
小半損 | 保険金額の30% (時価の30%が限度) |
||
一部損 | 保険金額の5% (時価の5%が限度) |
一部損 | 保険金額の5% (時価の5%が限度) |
2017以降の始期契約の損害認定基準は以下の通りです。
損害の程度 | 認定の基準 | |
建物 | 全損 | 主要構造部の損害額が建物の時価の50%以上 焼失・流出した床面積が建物の床面積の70%以上 |
大半損 | 主要構造部の損害額が建物の時価の40%以上50%未満 焼失・流出した床面積が建物の床面積の50%以上70%未満 |
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小半損 | 主要構造部の損害額が建物の時価の20%以上40%未満 焼失・流出した床面積が建物の床面積の20%以上50%未満 |
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一部損 | 主要構造部の損害額が建物の時価の3%以上20%未満 建物が床上浸水または地盤面から45cmを超える浸水を受けて損害が生じた場合で、小半損に至らないとき |
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家財 | 全損 | 損害額が家財の時価の80%以上 |
大半損 | 損害額が家財の時価の60%以上80%未満 | |
小半損 | 損害額が家財の時価の30%以上60%未満 | |
一部損 | 損害額が家財の時価の10%以上30%未満 |
保険料
地震保険の保険料は、逐次改訂されており、建物の構造や建物の所在地(都道府県)により区分がされています。
構造級別 | イ構造 | M構造、T構造(A構造・B構造)、または1級、2級 |
ロ構造 | H構造(C構造・D構造)、または3級(4級構造) |
割引制度
割引制度は次の4種類が設けられており、保険料から10%~50%の割引が適用されます。
割引制度 | 割引率 | 適用条件 |
免震建築物割引 | 50% | 住宅の品質確保の促進法に関する法律に基づく免震建物である場合 |
耐震等級割引 | 等級3:50% 等級2:30% 等級1:10% |
住宅の品質確保の促進法に関する法律に基づく耐震等級を有している場合 |
耐震診断割引 | 10% | 地方公共団体等による耐震診断または耐震改修の結果、改正建築基準法における耐震基準を満たす場合 |
建築物割引 | 10% | 1981年6月以降に新築された建物である場合 |
保険期間
地震保険の保険期間は5年が最長で、主契約の保険契約と地震保険の保険期間の関係は以下になります。
火災保険の契約 | 地震保険の契約 | |
年払い | 保険期間1年の自動更新 | |
一括払い | 保険期間5年以下 | 保険期間1年または火災保険の保険期間に合わせる (2年、3年、4年、5年など) |
保険期間5年超 | 保険期間1年または5年の自動更新 | |
その他 | 保険期間1年の自動更新 |
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