開経偈
開経偈(かいきょうげ)は、法要や勤行などの際に読経に入る前に読まれる偈です。
開経偈を読む
無上甚深微妙法、百千万劫難遭遇、我今見聞得受持、願解如来真実義 |
この上なく、しかも甚だ深く、かつ優れた法は、百千万劫の長い時をかけても出会うことは難しい。私は今、お経を見て、教えを聞き、受けることができました。どうぞ、仏の真実の教えを理解させてください。
懺悔文
懺悔文(さんげもん)は、華厳経四十巻本の普賢行願品からとった偈で、在家信徒の日常の読経に広く用いられます。
懺悔文を読む
我昔所造諸悪業、皆由無始貪瞋癡、従身語意之所生、一切我今皆懺悔 |
私が昔から積み重ねた様々な悪い行いは、遠い過去に遡る貪り、怒り、愚かさにより生じたものであり、それは身体と言葉と意思から生じたものです。その一切を今私は懺悔します。
三帰礼文
三帰礼文(さんきらいもん)は、仏・法・僧の三宝を敬い、全ての依り処とする誓いを立てるために唱えられます。
三帰礼文を読む
自帰依仏、当願衆生、体解大道、発無上意 |
自ら仏に帰依します。まさに願わくは衆生とともに、大いなる道を体得して、この上ない意を発しますように。
自帰依法、当願衆生、深入経蔵、智慧如海 |
自ら法に帰依します。まさに願わくは衆生とともに、深くお経の蔵に入りて、海のように大いなる智慧が得られますように。
自帰依僧、当願衆生、統理大衆、一切無礙 |
自ら僧に帰依します。まさに願わくは衆生とともに、大衆を和合して、一切拘りのない心が実現しますように。
三帰戒文
三帰戒文(さんきかい)とは、仏・法・僧の三宝に帰依することで、授戒やその他の儀式に際して唱えられています。
三帰戒文を読む
南無帰依仏、南無帰依法、南無帰依僧 |
仏に帰依します、法に帰依します、僧に帰依します。
帰依仏無上尊、帰依法離塵尊、帰依僧和合尊 |
仏なる無上尊に帰依します、法なる離欲尊に帰依します、僧なる和合尊に帰依します。
帰依仏竟、 帰依法竟、帰依僧竟 |
仏に帰依し終えます、法に帰依し終えます、僧に帰依し終えます。
般若心経

観音経偈

十句観音経
十句観音経(延命十句観音経)は、わずか42文字の最も短い経典として知られており、大乗経典の観音経系の偽経です。
十句観音経を読む
観世音、南無仏、与仏有因、与仏有縁、仏法僧縁、常楽我常 |
観世音菩薩よ、仏陀に帰依します。仏になるには原因があり、仏になるには縁があります。仏・法・僧の三宝の縁によって、常・楽・我・常の四徳を悟ります。
朝念観世音、暮念観世音、念念従心起、念念不離心 |
朝に観世音菩薩を念じ、夕に観世音菩薩を念じます。この念は心から起るものであり、この念は心から離れるものではありません。
大悲心陀羅尼

普回向
普回向(ふえこう)と、読経の終わりに読まれ、功徳を巡らせ仏道を成就させることを願うものです。
普回向を読む
願以此功徳、普及於一切、我等與衆生、皆共成佛道 |
願わくはこの功徳を以って、普く一切に及ぼし、我等と衆生と、皆共に仏道を成せんことを、
十方三世一切仏、諸尊菩薩摩訶薩、摩訶般若波羅蜜 じっぽうさんぜいっさいぶつ、しょそんぼさつまかさつ、まかはんにゃはらみつ |
十方と三世に渡る全ての仏と、あらゆる尊師、菩薩、修行者と、大いなる真理に到る智慧を得られんことを。
本尊回向文
本尊回向文(本尊上供回向文)は、般若心経の功徳を讃え、祖師に感謝し、現世利益を願う内容となっています。
本尊回向文を読む
上来、摩訶般若波羅蜜多心経を諷誦する功徳は、 |
般若心経を声を上げて読むことの功徳は、
大恩教主本師釈迦牟尼仏、高祖承陽大師・太祖常済大師に供養し奉り、無上仏果菩提を荘厳す。 |
釈迦牟尼仏、承陽大師(道元)、常済大師(瑩山、けいざん)を供養し、最上の悟りの境地を飾ります。
伏して願わくは、四恩総て報じ、三有斉しく資け、法界の有情と、同じく種智を円かにせんことを。 |
切に願うことは、四恩(父母・衆生・国王・三宝の恩)を報じて、欲界・色界・無色界の三界に在る欲有・色有・無色有を役立て、法による心の働きと、ものの平等と差別の相を知る智慧を円満にすることを、
冀う所は、家門繁栄、子孫長久、災障消除、諸縁吉祥ならんことを。 |
強く願うことは、家門が繁栄し、子孫が長く続き、厄災を消し去り、諸々の縁の幸多からんことを、
十方三世一切仏、諸尊菩薩摩訶薩、摩訶般若波羅蜜 じっぽうさんぜいっさいぶつ、しょそんぼさつまかさつ、まかはんにゃはらみつ |
十方と三世に渡る全ての仏と、あらゆる尊師、菩薩、修行者と、大いなる真理に到る智慧が得られんことを。
舎利礼文
舎利礼文(しゃりらいもん)は、釈迦の遺骨(仏舎利)を礼拝し、神仏と一体となって悟りを得て、人々を救済することを誓う内容となっています。
舎利礼文を読む
一心頂礼、万徳円満、釈迦如来、真身舎利、本地法身、法界塔婆 |
一心に礼拝します。全ての徳を成就した釈迦如来、真の遺骨であり、本来の真理であり、全ての象徴です。
我等礼敬、為我現身、入我我入、仏加持故、我証菩提、以仏神力 |
我々はそれを心から敬い、我々のこの身は仏と一体となり、仏に加護されるが故に、悟りの境地を明らかにし、神仏の力を以って、
利益衆生、発菩提心、修菩薩行、同入円寂、平等大智、今将頂礼 |
人々に御利益をもたらし、悟りを得ようとする心を起こして修行し、共に悟りの境地に入り、大いなる智慧を完成し、今まさに礼拝します。
四弘誓願門
四弘誓願門(しぐせいがんもん)とは、修行者が修行の際に行う4つの誓いです。
四弘誓願門を読む
衆生無辺誓願度、煩悩無尽誓願断、法門無量誓願学、仏道無上誓願成 |
衆生は限りがありませんが、救うことを誓います。煩悩は尽きることはありませんが、断ち切ることを誓います。仏の教えは限りなくありますが、学ぶことを誓います。仏への道はこの上ありませんが、成し遂げることを誓います。
甘露門
【奉請三宝】 南無十方佛。南無十方法。南無十方僧。南無本師釋迦牟尼佛。 南無大慈大悲救苦観世音菩薩。南無啓教阿難尊者。 |
【招請発願】 是諸衆等。發心して一器の浄食を奉持して。普く十方窮盡虚空。周遍法界微塵刹中。所有國土の一切の餓鬼に施す。先亡久遠山川地主乃至曠野の諸鬼神等。請う来って此に集れ。我れいま悲愍して。普く汝に食を施す。願くは汝各各。我が此の食を受けて。轉じ將って。盡虚空界の諸佛及聖。一切の有情に供養して。汝と有情と普く皆飽満せんことを。亦願くは汝が身。此の呪食に乗じて。苦を離れて解脱し。天に生じて楽を受け。十方の浄土も意に随って遊往し。菩提心を發し。菩提道を行し。當来に作佛して。永く退轉なく。前に道を得る者は。誓って相度脱せんことを。又願くは汝等。晝夜恒常に。我を擁護して。我が所願を満ぜんことを。願くは此の食を施す。所生の功徳。普く將て法界の有情に廻施して。諸の有情と平等苦有ならん。諸の有情と共に。同じく此の福を將て。悉く將て真如法界。無上菩提。一切智智に廻向して。願くは速かに成佛して。餘果を招くこと勿らん。法界の含識。願くは此法に乗じて。疾く成佛する事を得ん。 |
【雲集鬼神招請陀羅尼】 曩謨歩布哩。迦哩多哩。怛他蘗多也。 |
【破地獄門開咽喉陀羅尼】 唵歩布帝哩。迦多哩。怛他蘗多也。 |
【無量威徳自在光明加持飲食陀羅尼】 曩莫。薩嚩。怛佗蘗多。嚩嚕吉帝。唵三婆羅。三婆羅吽。 |
【蒙甘露法味陀羅尼】 曩莫。蘇嚕頗也。怛佗蘗多也。怛儞也佗。唵蘇嚕蘇嚕。鉢羅蘇嚕。鉢羅蘇嚕。娑嚩賀。 |
【毘盧舎那一字心水輪観陀羅尼】 曩莫。三満多。没多南鑁。 |
【五如来寶號招請陀羅尼】 南無多寶如来。曩謨薄伽筏帝。鉢羅歩多。 阿羅怛曩也。怛他蘗多也。 除慳貧業福智圓満。 南無妙色身如来。曩謨簿伽筏帝。蘇嚕波耶。怛侘蘗多也。 破醜陋形圓満相好。南無甘露王如来。曩謨婆伽筏帝。阿蜜栗帝。 阿濫惹耶。怛他蘗多耶。灌法身心令受快楽。 南無廣博身如来。 曩謨婆伽筏帝。 尾布邏蘗怛羅耶。多佗蘗多也。 咽喉廣大飲食充飽。南無離怖畏如来。曩謨婆伽筏帝。阿婆演。迦羅耶。 多佗蘗多耶。恐怖悉除離餓鬼趣。 |
【發菩提心陀羅尼】 唵。冐地即多。母陀。波多野迷。 |
【授菩薩三摩耶戒陀羅尼】 唵。三昧耶薩坦鑁。 |
【大寶楼閣善住秘密陀羅尼】 曩莫。薩羅嚩。多他蘗多南。羅。尾補羅蘗羅陛。麼抳鉢囉陛。 多佗多尼多捨寧。摩尼摩尼。蘇鉢囉陞。尾麼黎。娑蘗囉儼鼻隷。 吽吽。入縛羅。入縛羅。没駄。尾盧枳帝。 麌四夜。地瑟恥多。蘗羅陛。娑縛訶。 唵。摩尼。縛日哩。吽。唵。麼尼。駄哩吽泮乇。 |
【諸仏光明真言灌頂陀羅尼】 唵。阿暮伽。癈嚕者娜。摩訶畝陀羅。麼尼盤頭麼。入縛囉。跛囉婆利。單野吽。 |
【回向】 以此修行衆善根。報答父母劬労徳。存者福楽壽無窮。亡者離苦生安養。 四恩三有諸含識。三途八難苦衆生。倶蒙悔過洗瑕疵。盡出輪回生浄土。 |

