三角関数
弧度法
弧度法の定義は以下になります。
- 180°= $\pi$ ラジアン、1ラジアン=180°/ $\pi$
- 半径 $r$ 、中心角 $\theta$ の扇形の弧の長さを $l$ 、面積を $S$ とすると、
$$l=r\theta$$$$S=\frac{1}{2}r^2\theta=\frac{1}{2}lr$$
三角関数の公式
三角関数の基本的な公式は以下になります。
$$\sin^2{\theta}+\cos^2{\theta}=1$$$$\tan{\theta}=\frac{\sin{\theta}}{\cos{\theta}}$$$$1+\tan^2{\theta}=\frac{1}{\cos^2{\theta}}$$
三角関数の性質
正弦関数と余弦関数は以下の性質を持ちます。三角関数の0、$\pi/2$ 、$\pi$ 、$3\pi/2$ 前後の書き換えは以下になります。
位相 | 正弦関数 | 余弦関数 |
0 | $\sin{(\pm\theta)} =\pm\sin{\theta}$ | $\cos{(\pm\theta)} =\cos{\theta}$ |
$\pi/2$ | $\sin{(\pi/2\pm\theta)} =\cos{\theta}$ | $\cos{(\pi/2\pm\theta)} =\mp\sin{\theta}$ |
$\pi$ | $\sin{(\pi\pm\theta)} =\mp\sin{\theta}$ | $\cos{(\pi\pm\theta)} =-\cos{\theta}$ |
$3\pi/2$ | $\sin{(3\pi/2\pm\theta)} =-\cos{\theta}$ | $\cos{(3\pi/2\pm\theta)} =\pm\sin{\theta}$ |
$2\pi$ | $\sin{(2\pi\pm\theta)} =\sin{\theta}$ | $\cos{(2\pi\pm\theta)} =\sin{\theta}$ |
正接関数は以下の性質を持ちます。
位相 | 正接関数 |
0 | $\tan{(\pm\theta)} =\pm\tan{\theta}$ |
$\pi/2$ | $\tan{(\pi/2\pm\theta)} =\mp1/\tan{\theta}$ |
$\pi$ | $\tan{(\pi\pm\theta)} =\pm\tan{\theta}$ |
加法定理
三角関数の加法定理は以下で表されます。
$$\sin{(x\pm y)}=\sin{x}\cos{y}\pm\cos{x}\sin{y}$$$$\cos{(x\pm y)}=\cos{x}\cos{y}\mp\sin{x}\sin{y}$$$$\tan{(x\pm y)}=\frac{\tan{x}\mp\tan{y}}{1\mp\tan{x}\tan{y}}$$
また、加法定理より2倍角の公式は以下で、
$$\sin{2x}=2\sin{x}\cos{x}$$$$\cos{2x}=\cos^2{x}-\sin^2{x}$$$$\tan{2x}=\frac{2\tan{x}}{1-\tan^2{x}}$$
半角の公式は以下で、
$$\sin^2{\frac{x}{2}}=\frac{1-\cos{x}}{2}$$$$\cos^2{\frac{x}{2}}=\frac{1+\cos{x}}{2}$$$$\tan^2{\frac{x}{2}}=\frac{1-\cos{x}}{1+\cos{x}}$$
和の公式は以下で表されます。
$$\sin{x}\pm\sin{y}=2\sin{\frac{x\pm y}{2}}\cos{\frac{x\mp y}{2}}$$$$\cos{x}+\cos{y}=2\cos{\frac{x+y}{2}}\cos{\frac{x-y}{2}}$$$$\cos{x}-\cos{y}=-2\sin{\frac{x+y}{2}}\sin{\frac{x-y}{2}}$$
三角関数の合成
三角形の合成は以下で表されます。
$$a\sin{\theta}+b\cos{\theta}=\sqrt{a^2+b^2}\sin{(\theta+\alpha)}$$$$\sin{\alpha}=\frac{b}{\sqrt{a^2+b^2}}$$$$\cos{\alpha}=\frac{a}{\sqrt{a^2+b^2}}$$
指数関数・対数関数
指数法則
$p,q$ を有理数、$a,b\gt0$ とすると以下の関係が成り立ちます。
- $a^pa^q=a^{p+q}$ 、$a^p/a^q=a^{p-q}$
- $(a^p)^q=^{pq}$ 、$(ab)^p=a^pb^p$
累乗根
$m,n$ を正の整数、$a,b\gt0$ とすると以下の関係が成り立ちます。
- $a^{m/n}={}^n\sqrt{a^m}$ 、$a^{-m/n}=1/({}^n\sqrt{a^m})$
- $({}^n\sqrt{a})^n=a$ 、${}^n\sqrt{a}{}^n\sqrt{b}={}^n\sqrt{ab}$
- ${}^m\sqrt{{}^n\sqrt{a}}={}^{mn}\sqrt{a}$ 、${}^n\sqrt{a^m}={}^{nl}\sqrt{a^{ml}}$
対数の性質
対数は以下で定義されます。
指数 | 対数 |
$a^x=y$ | $x=\log_a{y}$ |
$a^0=1$ | $0=\log_a{1}$ |
$a^1=a$ | $1=\log_a{a}$ |
$a^x\cdot a^y = a^{x+y}$ | $\log_a{xy}=\log_a{x}+\log_a{y}$ |
$$\frac{a^x}{a^y}=a^{x-y}$$ | $$\log_a{\frac{x}{y}}=\log_a{x}-\log_a{y}$$ |
$a^y=x^b$($a^{y/b}=x$) | $\log_a{x^b}=b\log_a{x}$ |
その他、対数関数には以下の関係式が成り立ちます。
$$\log_a{x}=\frac{\log_b{x}}{\log_b{a}}$$
その他関数(数Ⅲ)
逆関数と合成関数
- 逆関数
$y=f(x) \Leftrightarrow x=g(y)$ のとき、$g$ は $f$ の逆関数になり、$g(x)=f^{-1}(x)$ で表されます。このとき、$f(x)$ と $g(x)$ は直線 $y=x$ に関して対称になります。 - 合成関数
関数 $f$ と関数 $g$ の合成関数は $g\circ f$ で表します。一般に $g\circ f$ と $f\circ g$ は一致しません。
$$(g\circ f)(x)=g(f(x))$$
分数関数
分数関数を以下のように変形すると、
$$y=\frac{ax+b}{cx+d} \to y=\frac{k}{x-p}+q$$
以下の特徴を持つことが分かります。
- 漸近線が直線 $x=p$ 、$y=q$ の直角双曲線。
- $y=k/x$ を $x$ 軸方向に $p$ 、$y$ 軸方向に $q$ 移動させたグラフ。
- 分数関数が逆関数をもつ条件は $ad-bc\ne0$
無理関数
無理関数を以下のように変形すると、
$$y=\sqrt{ax+b} \to y=\sqrt{a(x-p)}$$
以下の特徴を持つことが分かります。
- 軸が $x$ 軸、頂点が原点の放物線 $y=\sqrt{ax}$( $y^2=ax$ )を、$x$ 軸方向に $p=-b/a$ 平行移動させたグラフ。