概要
障害年金は、公的年金制度の被保険者や、被保険者であった者が、病気やけがによって生活や仕事などが制限されるようになった場合、一定の要件の下で障害年金や一時金が支給されます。
障害年金には障害基礎年金と障害厚生年金があり、病気やけがでの初診日に国民年金に加入していた場合は障害基礎年金、厚生年金に加入していた場合は障害厚生年金が支給されます。尚、障害年金を受け取るには、年金の納付状況などの条件が定められています。
給付の構成
障害基礎年金は、1級と2級に分かれており、年金法上の子がいる場合には子の加算があります。
障害厚生年金は、1級と2級の他に3級障害も対象となっており、一次給付として障害手当金もあります。また、障害厚生年金の1級か2級に該当する場合、配偶者の加給年金額も加算されます。
国民年金 | 厚生年金 |
障害基礎年金1級 (+子の加算額) |
障害厚生年金1級 (+配偶者の加給年金額) |
障害基礎年金2級 (+子の加算額) |
障害厚生年金2級 (+配偶者の加給年金額) |
ー | 障害厚生年金3級 / 障害手当金 |
受給要件
主な受給要件は3つあります。
- 初診日要件
障害の原因となった病気等について、初めて医師等に診察を受けた日。但し、誤診により傷病名が変わった場合は、誤診された病院が初診日となります。 - 保険料納付要件
初診日の前日において、保険料納付済期間と保険料免除期間で要件が満たされている必要があります。 - 障害認定日要件
初診日から1年6ヵ月が経過した日、または1年6ヵ月の症状が固定した日。
障害等級
障害等級は以下の基準になります。
1級 | 日常生活の用を弁ずることができない状態。常時介護を要する。 |
2級 | 日常生活が著しい制限を受ける状態。適宜、介助を要する。 |
3級 | 労働が著しい制限を受けるか、または労働に制限を加えることが必要な状態。 |
障害手当金 | 傷病が治ったものであって、労働が制限を受ける状態。 |
障害基礎年金
受給要件
障害基礎年金は、初診日要件、保険料納付要件、障害認定日要件の全てが満たされた場合に支給されます。
初診日要件 | 病気やけがでの初診日が以下のいずれかである必要があります。
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保険料納付要件 | 初診日の前日において、以下のいずれか条件を満たす必要があります。但し、初診日が20歳前の場合は納付要件はありません。
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障害認定日要件 |
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請求時期
障害の状態に該当した時期に応じ、次の2つの請求方法があります。
- 障害認定日による請求
障害認定日に障害の状態にある場合は、障害認定日の翌月分から(障害認定日以後に20歳に達したときは、20歳に達した日の翌月分から)年金を受給できます。
尚、請求書は障害認定日以降であれば提出できますが、遡及して受けられる年金は最長5年分です。 - 事後重症による請求
障害認定日に法令に定める障害の状態に該当しなかった方でも、その後症状が悪化し、障害の状態になった場合、請求日の翌月分から障害年金を受給できます。
但し、請求書は65歳の誕生日の前々日までに提出する必要があります。
年金額
障害基礎年金の額は、2級を基準として、1級は2級の1.25倍とされています。2級の障害基礎年金は、老齢基礎年金の満額と同額です。
等級 | 昭和31年4月1日以前生まれ | 昭和31年4月2日以後生まれ |
1級 | 990,750円 + 子の加算額 | 993,750円 + 子の加算額 |
2級 | 792,600円 + 子の加算額 | 795,000円 + 子の加算額 |
子の加算額は、生計を維持されている子がいる場合に加算されます。尚、子とは18歳になった後の最初の3月31日までの子、または20歳未満で障害等級1級または2級の状態にある子です。
子の加算額 | 1人目と2人目 | 1人につき228,700円 |
3人目以降 | 1人につき76,200円 |
20歳前障害
初診日が20歳前にある傷病により、1級または2級の障害等級に該当する場合、国民年金の被保険者ではありませんが、障害年金は支給されます。20歳より前に初診日と障害認定日がある場合と、障害認定日のみ20歳以降にある場合の、いずれも対象になります。
尚、年金の加入を要件としていないことから、年金の支給に関して制限や調整があります。
- 所得による支給制限
- 恩給や労災保険の年金等を受給している場合の支給調整
- 海外に居住した場合や矯正施設に入所した場合の支給制限
請求手続き
年金請求書は、住所地の市区町村役場、または年金事務所、街角の年金相談センターの窓口に備え付けてあります。
障害厚生年金
受給要件
障害厚生年金は、初診日要件、保険料納付要件、障害認定日要件の全てが満たされた場合に支給されます。
初診日要件 |
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保険料納付要件 | 初診日の前日において、以下のいずれか条件を満たす必要があります。
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障害認定日要件 |
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請求時期
障害の状態に該当した時期に応じ、次の2つの請求方法があります。
- 障害認定日による請求
障害認定日に障害の状態にある場合は、障害認定日の翌月分から年金を受給できます。
尚、請求書は障害認定日以降であれば提出できますが、遡及して受けられる年金は最長5年分です。 - 事後重症による請求
障害認定日に法令に定める障害の状態に該当しなかった方でも、その後症状が悪化し、障害の状態になった場合、請求日の翌月分から障害年金を受給できます。
但し、請求書は65歳の誕生日の前々日までに提出する必要があります。
年金額
障害厚生年金の年金額は以下になります。 配偶者の加給年金額は、生計を維持されている65歳未満の配偶者がいる場合に加算されます。
等級 | 昭和31年4月1日以前生まれ | 昭和31年4月2日以後生まれ |
1級 | 報酬比例の年金額 × 1.25 + 配偶者の加給年金額(228,700円) | |
2級 | 報酬比例の年金額 + 配偶者の加給年金額(228,700円) | |
3級 | 報酬比例の年金額 | |
3級の最低保証額 | 594,500円 | 596,300円 |
請求手続き
年金請求書は、年金事務所または街角の年金相談センターの窓口に備え付けてあります。